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[片道勇者TRPG]サントリナの日誌 3ページ目……?

■日記を書き始めて二日目。

 私は今日も生きています。

 ちょっと野犬に襲われそうになりましたが、急いでなんとか木に上り事なきを得ました。
 私は一切の戦闘訓練というものをしたことがないので、危ない所でした。
 それに耳長人は他の種と比べて格別に非力だということですので、より気をつけなくてはならないでしょう。

 保存食の消費は避け、まだ地の利のあるここいらでは木の実を食べて進むことにしました。
 山岳、森の中、とくに村周辺のことならば、私の庭ですから。
 水の確保も無理なく出来ました。
 さて、ここで私の不安を書き出させていただきましょう。

 すっごく怖いです。
 いや、だって私の村には人間が来たら人買いだと思えと言われているほどに、外部の人間への抵抗力は強いのです。
 それに、特別に剣の修行をしたことがあるわけでもないし、格別に知恵が回るわけでもありません。武器と言えば、手に持っているこの旅人向けの杖くらいのもの。
 魔法のような力でも使えればいいのに、と夢想せざるを得ません。
 ……そんな力があれば、私は故郷を離れずに済んだのですがね。

 さて、あと数日ほど歩けば人里に着くはずです。
 人買いは怖いですが、何事も最初が肝心、この恐怖を克服すればきっともう怖いとは思わないでしょう。きっと。

 では、今日のぶんはこれにて。



*********************



 数日分、あるいは数十日分、ページが破れてなくなっている。









*********************


■……何日目でしたっけ。

 日記帳を実はメモ代わりに使った挙句、そのメモがうまくいかなくてイライラして日記を書いたページまで巻き込んで破いてしまったようです。
 メモというのは、今はどのあたりを進んでいるのかをマッピングしていたもの。
 何日も同じような光景ばっかりだ、と思って地図を見直すと、目的とは正反対の方向に進んでいました……。
 油断は禁物、自分の中にも敵はいるのですね……。
 近場だからと、地図なんて見なくても楽勝、という根性がいけなかったのでしょう。

 せっかくなので、当初の目的の村と正反対ですが、別の町に向かってみることにしました。
 この方向なら、サイーショの街が近いはずです。

 ……次は間違ってないはずです、きっと。



<このあたりにも地図がメモされている>




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