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■日記を書き始めて二日目。
私は今日も生きています。
ちょっと野犬に襲われそうになりましたが、急いでなんとか木に上り事なきを得ました。
私は一切の戦闘訓練というものをしたことがないので、危ない所でした。
それに耳長人は他の種と比べて格別に非力だということですので、より気をつけなくてはならないでしょう。
保存食の消費は避け、まだ地の利のあるここいらでは木の実を食べて進むことにしました。
山岳、森の中、とくに村周辺のことならば、私の庭ですから。
水の確保も無理なく出来ました。
さて、ここで私の不安を書き出させていただきましょう。
すっごく怖いです。
いや、だって私の村には人間が来たら人買いだと思えと言われているほどに、外部の人間への抵抗力は強いのです。
それに、特別に剣の修行をしたことがあるわけでもないし、格別に知恵が回るわけでもありません。武器と言えば、手に持っているこの旅人向けの杖くらいのもの。
魔法のような力でも使えればいいのに、と夢想せざるを得ません。
……そんな力があれば、私は故郷を離れずに済んだのですがね。
さて、あと数日ほど歩けば人里に着くはずです。
人買いは怖いですが、何事も最初が肝心、この恐怖を克服すればきっともう怖いとは思わないでしょう。きっと。
では、今日のぶんはこれにて。
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